街づくりWORKS × FARM STAY JAPAN
紡ぎの郷 San Village(倉澤運平蚕室)
― 過去を紡ぎ、未来を織りなす拠点へ ―
上田・塩田平から持続可能な暮らしを発信
鎌倉和工房株式会社(本社:神奈川県鎌倉市)と nekko設計室(本社:長野県北安曇郡)は、2025年10月12日、長野県上田市・別所温泉で開催された「別所温泉文化祭/倉澤運平蚕室の利活用コンペ」にて、地域文化と建築再生を融合した提案「紡ぎの郷 San Village」構想を発表しました。
本計画の対象である倉澤運平蚕室は、明治・大正期に建てられ、長らく**蚕室(養蚕用建物)**として地域の暮らしを支えてきた歴史的建造物です。
本コンペには、長年にわたり倉澤邸の利活用を研究してきた芝浦工業大学建築チーム・長野大学まちづくりチームの学生たちをはじめ、日本で初めて本格的にビオワイン・ナチュラルワインを紹介した第一人者デュマ・フランソワ氏、そして当社を含む計4チームが参加。
それぞれの立場から「倉澤運平蚕室の未来像」について議論が交わされ、地域文化 × 建築 × 暮らしの融合による新しい地域づくりの可能性が示されました。
上田市・別所温泉という舞台
上田市別所温泉は、「信州の鎌倉」とも呼ばれる歴史ある温泉地です。養蚕・温泉文化・信仰を中心に、人々の暮らしと地域のつながりが息づいてきました。
しかし近年は少子高齢化や空き家の増加が進み、地域資源の継承が課題となっています。
今後、当社がチャレンジしたいこと
① RVパーク/キャンプ施設の整備
里山には、四季の移ろいと自然のリズムがあります。
その恵みを感じながら滞在できるよう、周辺にRVパーク・キャンプ場・アウトドア体験施設を整備します。
朝の鳥の声で目覚め、夜は満天の星を眺めながら過ごす時間。
地元の食材でつくる食卓や、焚き火を囲んで語らう夜。
ここでの滞在が、訪れる人にとっての“もう一つのふるさと”となることを目指します。
② 農泊(農家民泊)事業
農家さんの家に泊まり、田植えや収穫を手伝い、夜は星空の下で焚き火と地元野菜のごはんを囲む――。
そんな体験が、訪れる人に“生きるリズム”を思い出させてくれます。
農泊は、ただ泊まるだけではなく、地域の暮らしに触れる宿泊体験。
旅人と地元の人が語り合い、手を動かし、笑い合うことで、この里山の文化が次の世代へと受け継がれていきます。
③ 倉澤運平蚕室での「お仕事体験」・マルシェ事業
かつて蚕を育てていた倉澤運平邸を、今度は子どもたちが“自分の夢”を育てる場所に。
大工さん、庭師さん、パン屋さん、農家さん、パティシエなど、地域の本物の職人たちが先生になって、子どもたちに“しごと”を教えます。
お母さんやお父さんも一緒に笑いながら参加できる、家族みんなの学びの場です。
また、倉澤邸やその庭を使って、地域の人がつくる小さなイベントや里山マルシェを定期開催します。
地元野菜やパン、コーヒー、クラフトが並び、笑顔と香りがあふれる時間。
“地域の日常が観光になる”――そんな風景を目指しています。
未来へ
「紡ぎの郷 San Village」は、建物の再生だけではなく、人と人がつながり、地域の暮らしを未来へ紡ぐプロジェクトです。
里山での滞在、農家との出会い、子どもたちの笑顔、それぞれの体験が重なり合い、この地に新しい物語を生み出していきます。
“命を育む建築”だった倉澤運平蚕室が、これからは“人と未来を育む拠点”として、上田・塩田平から持続可能な暮らしを世界へ発信していきます。